イギリス国民に古くから愛される、くまのパディントン。エリザベス女王の在位70周年を記念したイベントではパディントンとのお茶会が公開され、そのやりとりがオシャレと日本でも話題になりました。
洋書を読むなら一度は読んでおきたい名作、くまのパディントン。キャラクターは知っていても、意外と内容は知らなかったりしませんか?いったいどんなストーリーで、はたして面白いのか?英語のレベルはどれくらいで、またリスニング用に音声はあるのか。
パディントンを洋書で読みたいけれど、挑戦するか迷っている方の参考になると嬉しいです。
大人も楽しめるほのぼの系のストーリー
お話は、ある夫婦がパディントン駅で一匹の「くま」を見つける所から始まります。驚いて話しかける夫婦。そのくまは暗黒のペルーからやってきたと言います。くまがしゃがんだときに見えた札にはこう書いてありました「PLEASE LOOK AFTER THIS BEAR.」たまらなくなった夫婦は、しらばらく家に来ないかと誘い連れて帰ります。そして名前のなかったくまに、駅の名前「パディントン」と名付けたのです。夫婦と子供達、ブラウン家族とパディントンの生活が始まります。
作品の1つ1つは日常生活を描いた短編で、毎回パディントンがトラブルを起こして大わらわ、最後はまるくおさまる、ほのぼの系のストーリーです。トラブルを起こしても許されてしまう彼の愛されキャラクターがよく、周りも、読んでいる側も、小さな子供を見守るような気持ちになります。
短編なので、癒され系の本を読みたい時に、ちょっと手に取って読みたくなる本です。子供よりもむしろ大人の方が楽しめるかもしれません。
15冊のメイン作品
パディントンの本は多数出ていますが、メインとなる本は15冊です。それぞれ1冊に複数の短編が掲載されています。
1作目は1958年。元号でいうと昭和33年、東京タワーが完成した年です。60年以上前の作品ですが、まったく古さを感じない、今読んでも違和感のないストーリーでした。
番外編やその他短編集も出ていますが、まずは王道のメイン作から始めては如何でしょうか?
第1作『A Bear Called Paddington (1958) /くまのパディントン』
第2作『More About Paddington (1959) / パディントンのクリスマス』
第3作『Paddington Helps Out (1960) / パディントンの一周年記念』
第4作『Paddington Abroad (1961) / パディントンフランスへ』
第5作『Paddington at Large (1962) / パディントンとテレビ』
第6作『Paddington Marches on (1964) / パディントンの煙突掃除』
第7作『Paddington at Work (1966) / パディントン妙技公開』
第8作『Paddington Goes to Town (1968) / パディントン街へ行く』
第9作『Paddington Takes the Air (1970) / パディントンのラストダンス』
第10作『Paddington on Top (1974) / パディントンの大切な家族』
第11作『Paddington Takes the Test(1979) / パディントン、テストをうける』
第12作『Paddington Here and Now (2008) / パディントンのどろぼう退治』
第13作『Paddington Races Ahead (2012) / パディントン、映画に出る』
第14作『Love from Paddington (2014)』
第15作『Paddington’s Finest Hour (2017)』
番外編(遺作)『Paddington at St. Paul’s (2018) 』
15冊まとめて手元に置いておきたい人はこちらのセットもあります。
英語のレベルは中級
読みやすいレベル(YL)は4.5~6.5、語数は25,000語前後です。TOEICでいうと700点位でも読めると思いますが、800点以上になるとストレスなく楽しめると思います。(私の場合、800点後半のときに、オーディオブックと併せて聞き読みしました。分からない所がありながらもとても楽しく読めました。)
【YLと総語数】
- 第1作『A Bear Called Paddington /YL5.5 /総語数23,122』
- 第2作『More About Paddington / YL5.5 /総語数24,000』
- 第3作『Paddington Helps Out / YL4.7 /総語数21,139』
- 第4作『Paddington Abroad / YL5.5 /総語数21,000』
- 第5作『Paddington at Large / YL5.0 /総語数22,000』
- 第6作『Paddington Marches on / YL5.0 /総語数22,000』
- 第7作『Paddington at Work / YL6.5 /総語数24,000』
- 第8作『Paddington Goes to Town / YL5.5 /総語数23,000』
- 第9作『Paddington Takes the Air / YL5.0 /総語数24,000』
- 第10作『Paddington on Top / YL5.0 /総語数23,000』
- 第11作『Paddington Takes the Test /YL5.5 /総語数25,563』
- 第12作『Paddington Here and Now / YL5.0 /総語数25,292』
- 第13作『Paddington Races Ahead / YL5.5 /総語数24,000』
- 第14作『Love from Paddington / 不明 /不明』
- 第15作『Paddington’s Finest Hour / 不明 /不明』
AudibleとScribdで音声も聞ける
せっかくなら、リスニングも一緒に鍛えたいですよね。一部CDも販売されていますが、AudibleやScribdなどのオーディオブックの方が作品が揃っており、入手しやすそうです。
ナレーターは「Stephen Fry」または「Hugh Bonneville」「Jim Broadbent」の3人です。特にStephen Fryは、ハリーポッターやくまのプーさんのナレーターもしていて、私は聞きなじみがあり、声も好きでした。)
Audibleは、1冊ずつ購入することになりますが、Audibleメンバーに入会すると、30%オフで購入できます。(2022年8月2日時点パディントンシリーズは聞き放題には含まれていませんでした。)
一方、Scribdは、月額払いの聞き放題システムです。作品をどんどん聞きたい人は、こちらが良いでしょう。
値段の上では、上級者の方で短期間で量をこなせるならScribd、1冊に時間を掛けたい初~中級者ならAudibleの方が安く済みそうです。
# | Audible (ナレーター) | Scribd (ナレーター) | |
1 | A Bear Called Paddington | Stephen Fry | Stephen Fry |
2 | More About Paddington | Stephen Fry | Stephen Fry |
3 | Paddington Helps Out | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
4 | Paddington Abroad | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
5 | Paddington at Large | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
6 | Paddington Marches on | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
7 | Paddington at Work | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
8 | Paddington Goes to Town | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
9 | Paddington Takes the Air | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
10 | Paddington on Top | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
11 | Paddington Takes the Test | Hugh Bonneville | Hugh Bonneville |
12 | Paddington Here and Now | Stephen Fry | Stephen Fry |
13 | Paddington Races Ahead | Jim Broadbent | Jim Broadbent |
14 | Love from Paddington | Jim Broadbent | Jim Broadbent |
15 | Paddington’s Finest Hour | Stephen Fry | Stephen Fry |
番外 | Paddington at St. Paul’s | Stephen Fry | なし |
また、CDは4作のセットが販売されています。
- A Bear Called Paddington
- More About Paddington
- Paddington Here and Now
- Paddington Races Ahead
Read by Stephen Fry and Jim Broadbent
まとめ
「くまのパディントンシリーズ」は、英語レベル中級者におススメの洋書です。また、オーディオブックも充実していますので、リスニングにも使えます。作品は短編なので取り掛かりやすく、内容はほのぼのとして、大人も楽しめる作品です。