アーノルド・ローベルの4作品がセットになった新装本。いずれも短編で読みやすく、初中級者にオススメの1冊です。
本の内容(4作品)
The Bears of the Air
4匹の子グマとそのおじいさんグマのお話。「クマがすべき事」を教えようとするおじいさん。しかし、子グマ達はちっとも聞かず、得意なことをやってばかり。おじいさんは怒りますが、ある日、そんな子グマ達の特技に助けられます。
Prince Bertram the Bad
意地悪でいたずらばかりの王子さま。王様も王妃さまも、お城の人も、街の人も、みんな彼に困っています。ある日、王子が石をぶつけたのは魔女でした。魔女は怒って王子をドラゴンに変えてしまします。人々は、獣みたいに振舞ってたからドラゴンになったんだと、毎日笑いに来ます。誰にも相手にされず、王子は悲しくなります。さて、王子は改心するのか、そして元の姿に戻れるのでしょうか。
The Great Blueness
この世界にある色は黒と白と灰色だけ。ある日、一人の魔法使いが青色を作ります。人々は素敵な色だと、こぞって青色を使い、世界は青色一色に。しかし、しばらくすると、人々は青ばかりの世界に気分が落ち込み笑顔がなくなります。これはいけないと、魔法使いが次に作ったのは幸せな黄色。あっという間に今度は黄色の世界になりますが・・・。
The Man Who Took the Indoors Out
大きな家に住む一人のおじいさんは、家具たちを愛していました。ある日、こんなに天気の良い朝に、家の中にしか居れないなんてかわいそうだと、家具たちを外に呼び出します。ソファーやテーブル、ドレッサーなど、家の中にいたあらゆる家具たちが動き出し外に出てきます。そして移動を始めますが、そのうちおじいさんを追い越し、どこかへ行ってしまいます。空っぽの家に帰ってきたおじいさん。おじいさんと家具たちはどうなってしまうのか。
評価 8.5/10
既刊の4作品(1963-1974)が1冊になって再出版(2014)。単行本では既に入手が難しい作品もあるため、嬉しい復刻版。どの作品も読みやすくて面白い。
おじいさんグマの持つ本が「THINGS A GOOD BEAR SHOULD DO」というのもクスりと笑える。教科書通りでなくていい、得意なものを生かせば良いというメッセージも彼の絵本だと暖かい。
魔法使いが世界の色を作っていく「The Great Blueness」も面白い。魔法使いが色を作っていく様子も、また「絵」の色がどんどん変わっていくのも見どころ。1色の絵というのは意外とストレスで、色の魅力を改めて考えさせられる。
英語のレベル(YL)と語数
100万語チャレンジしている方向けに、下記、4作品のレベルと総語数*です。
(*総語数は、個人でカウントしました。正確な数値ではない可能性があります。ご参考までにご利用ください)
タイトル | YL | 総語数 | 出版年 | 評価 (/10) |
The Bears of the Air | 1.0 | 543 | 1965 | 8 |
Prince Bertram the Bad | 1.2 | 776 | 1963 | 8 |
Great Blueness and Other Predicaments | 1.2 | 1047 | 1968 | 8 |
The Man Who Took the Indoors Out | 1.2 | 860 | 1974 | 5 |